星空を守る場所 − ダークスカイリザーブの物語
星空保護区は、**ダークスカイ(旧国際ダークスカイ協会・IDA)**が2001年に設立した認定制度で、暗く美しい夜空を守るために設けられた特別な地域です。
この制度は、以下のような条件を満たす場所に与えられます。
  • 夜空の暗さ: 光害の影響が極めて少なく、星々が鮮明に見えること。

  • 厳格な照明基準: 人工照明の管理が徹底されていること。

  • 地域の協力: 自治体や住民が積極的に光害対策や星空保護に取り組んでいること。

  • 教育と啓発: 光害の問題や星空の大切さを伝える活動が行われていること。

これらの条件を満たすことで、夜空の美しさと自然環境を未来に残すことが目指されています。

アオラキマッケンジー星空保護区

ニュージーランド南島のテカポ湖、トワイゼル、マウントクック周辺に広がる、約4,367平方キロメートルの広大なエリアで、2012年に**ダークスカイ(旧国際ダークスカイ協会・IDA)**から正式に認定されました。

この地域が選ばれた理由は、極めて少ない光害、澄んだ大気、高い標高、そして厳格な照明規制が整っていることです。人口が少なく、人工光の影響がほとんどないため、星空が鮮明に観察でき、空気の透明度が高く視界が良好です。また、地域全体で照明の使用が厳格に管理されており、自然な夜空の暗さが保たれています。これらの特長が相まって、世界でも有数の星空保護区として認められました。

世界最大級の規模

認定当時、世界最大の国際ダークスカイ保護区として認められ、現在でも南半球最大級の規模を誇ります。

卓越した星空観察地

光害が極めて少なく、天の川や南十字星などが肉眼で鮮明に観察できる、世界有数の星空観察地として知られています。

尽力された方々

この保護区が誕生するまでには、多くの人々の協力がありました。特に、日本人のHide Ozawa氏と、ニュージーランドの天文学愛好家でありEarth and Skyの共同創設者であるGraeme Murray氏が中心となり、自治体や地元住民、観光業界と連携して星空を守る取り組みを進めました。彼らの情熱と努力により、世界中の人々が訪れるこの貴重な星空が、未来にわたって保護されることが実現しました。

光害とは?

光害とは、人工的な照明が原因で夜空の暗さが失われ、星や天体の観察が難しくなる現象です。街灯や建物の明かりが空に反射し、星空が見えにくくなるだけでなく、野生動物や植物、人間の生活にも悪影響を及ぼします。例えば、動物の繁殖や移動に支障をきたすことがありますし、人間の健康にも影響を与えることがあります。

私たちにできること

不要な照明を消す、外灯を適切に配置する、明るさを抑えるなど、光害を減らす取り組みを意識することが大切です。また、環境に優しい照明技術を選ぶことも、未来の星空を守るために重要な一歩となります。

私たちは星々から生まれ、星々に還る。
We are made of star-stuff, and to the stars we shall return.

カール・セーガン

Carl Sagan